【2025年版】キャリアアップ助成金の概要・条件・申請方法まとめ
「パートやアルバイトの従業員を正社員にしたいけど、人件費が心配…」 「非正規社員の待遇を改善したいが、資金面で躊躇している…」
そんな経営者の方に朗報です!キャリアアップ助成金を活用すれば、従業員の正社員化や待遇改善にかかる費用の一部を国から支援してもらえます。
この記事では、初めて助成金を検討する方でも分かるように、キャリアアップ助成金の仕組みから申請方法まで、2025年最新版の情報をわかりやすく解説します。
この助成金が向いている事業主
キャリアアップ助成金は、以下のような事業主の方に特におすすめです:
✅パート・アルバイトを正社員にしたい事業主
・優秀な非正規社員を正社員として定着させたい
・人材不足を解消したい
✅非正規社員の待遇を改善したい事業主
・賃金を上げて従業員のモチベーションを高めたい
・賞与や退職金制度を導入したい
✅人材への投資を検討している事業主
・従業員の定着率を上げたい
・働きやすい職場環境を整備したい
コストを抑えながら雇用改善したい事業主
・助成金を活用して実質的な負担を軽減したい
・計画的に雇用環境を改善したい
【目次】
1.キャリアアップ助成金とは
キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者(有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者など)の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成金を支給する制度です。
厚生労働省が管轄し、各都道府県労働局やハローワークが窓口となって運営されています。
2.助成金の6つのコース
1. 正社員化コース
有期雇用労働者等を正規雇用労働者に転換または直接雇用した場合に助成
助成額(中小企業の場合)
- 有期→正規:57万円/人(生産性要件を満たす場合72万円)
- 無期→正規:28.5万円/人(同36万円)
2. 障害者正社員化コース
障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換した場合に助成
助成額(中小企業の場合)
- 有期→正規:90万円/人(生産性要件を満たす場合112.5万円)
- 有期→無期:45万円/人(同56万円)
3. 賃金規定等改定コース
有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を改定し、賃金を引き上げた場合に助成
助成額(中小企業の場合)
- 3%以上5%未満:5万円/人(生産性要件を満たす場合6.25万円)
- 5%以上:6.5万円/人(同8.1万円)
4. 賃金規定等共通化コース
有期雇用労働者等と正規雇用労働者との共通の賃金規定等を新たに規定・適用した場合に助成
助成額(中小企業の場合)
- 57万円/事業所(生産性要件を満たす場合71.25万円)
5. 賞与・退職金制度導入コース
有期雇用労働者等に関して賞与・退職金制度を新たに設け、支給または積立てを実施した場合に助成
助成額(中小企業の場合)
- 賞与制度:38万円/事業所(生産性要件を満たす場合48万円)
- 退職金制度:38万円/事業所(同48万円)
- 両制度同時導入:56.8万円/事業所(同72万円)
6. 短時間労働者労働時間延長コース
短時間労働者の週所定労働時間を延長し、社会保険を適用した場合に助成
助成額(中小企業の場合)
- 週所定労働時間を3時間以上延長:22.5万円/人(生産性要件を満たす場合28.4万円)
3.共通の要件
対象事業主の要件
- 雇用保険適用事業所の事業主であること
- キャリアアップ管理者を置いている事業主であること
- キャリアアップ計画を作成し、労働局長の認定を受けた事業主であること
- 対象労働者に対する労働条件、勤務状況、賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備し、保管している事業主であること
対象労働者の要件(正社員化コースの場合)
- 支給対象事業主に雇用される期間が通算して6か月以上の有期雇用労働者等
- 正規雇用労働者として雇用することを約して雇い入れられた有期雇用労働者等でないこと
- 過去3年以内に、当該事業主の事業所において正規雇用労働者として雇用されたことがない者
4.申請の流れ
1. キャリアアップ計画の作成・提出
実施する取り組みの開始日の前日までに、キャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の認定を受ける必要があります。
必要書類
- キャリアアップ計画書
- 就業規則または労働協約の写し
2. 取り組みの実施
計画に基づいて、正社員化や処遇改善の取り組みを実施します。
実施時の注意点
- 就業規則等の改定が必要な場合は、労働基準監督署への届出を忘れずに
- 対象労働者への労働条件通知書の交付を確実に行う
3. 助成金の支給申請
取り組み実施後、定められた期間内に支給申請を行います。
申請期限
- 正社員化コース:正規雇用等への転換後6か月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2か月以内
- その他のコース:各コースで定める要件を満たした日の翌日から起算して2か月以内
必要書類(正社員化コースの場合)
- 支給申請書
- 対象労働者の労働条件通知書または雇用契約書
- 賃金台帳
- 出勤簿またはタイムカード
- 就業規則または労働協約
5.2025年度の主な変更点・注意事項
- 正社員化コースの助成額が一部見直されています
- 生産性要件の基準が更新されている可能性があります
- オンライン申請システムの利用が推奨されています
6.よくある質問
Q1. 申請から支給までどのくらいかかりますか?
A.通常、申請から2〜6か月程度かかります。書類に不備がある場合はさらに時間がかかることがあります。
Q2. 複数のコースを同時に申請できますか?
A.可能です。ただし、同一の労働者に対して複数のコースを適用する場合は、一定の制限があります。
Q3. 助成金は課税対象ですか?
A.はい、法人税(個人事業主の場合は所得税)の課税対象となります。
7.まとめ
キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の処遇改善を図る企業にとって重要な支援制度です。申請には事前の計画認定が必要なため、早めの準備が大切です。
最新の情報や詳細な要件については、厚生労働省のホームページや最寄りの労働局・ハローワークでご確認ください。
※本記事の内容は2025年1月時点の情報に基づいています。制度は変更される可能性がありますので、申請時は必ず最新情報をご確認ください。