【2025年版】ものづくり補助金の概要・条件・申請方法まとめ|専門社労士が徹底解説
助成金専門の社労士事務所が運営する助成金サイトとして、2025年度のものづくり補助金について最新かつ詳細な情報をお届けします。当事務所では、これまで数百社のものづくり補助金申請をサポートし、高い採択率を実現してきた豊富な実績を有しています。
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者の設備投資を支援する経済産業省の代表的な補助金制度です。2025年度は、デジタル化対応やカーボンニュートラルへの取り組みがより重視され、補助率や補助上限額の見直しが行われています。
本記事では、助成金専門の社労士として蓄積した知識と経験をもとに、ものづくり補助金の申請方法から採択のポイントまで、実務に即した情報を分かりやすく解説いたします。設備投資を検討されている事業者の皆様にとって、実践的なガイドとしてお役立てください。
【目次】
1.【2025年版】ものづくり補助金の目的と概要
1-1. 制度の目的と背景
ものづくり補助金は、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する制度です。
2025年度の制度改正では、特に以下の点が重視されています:
– デジタル技術の活用による生産性向上
– カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み
– 付加価値額の向上と賃金上昇への寄与
– 地域の中核企業としての役割強化
1-2. 補助金の種類と補助額
一般型
最も基本的な申請類型で、革新的な製品・サービス開発や生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備投資等を支援します。
補助上限額・補助率
– 従業員数5人以下:750万円(補助率1/2)
– 従業員数6~20人:1,000万円(補助率1/2)
– 従業員数21人以上:1,250万円(補助率1/2)
回復型賃上げ・雇用拡大枠
業況が厳しい事業者が賃上げ・雇用拡大に取り組む場合に利用できる特別枠です。
補助上限額・補助率
– 従業員数5人以下:750万円(補助率2/3)
– 従業員数6~20人:1,000万円(補助率2/3)
– 従業員数21人以上:1,250万円(補助率2/3)
デジタル枠
DXに資する革新的な製品・サービス開発や生産プロセス・サービス提供方法の改善に取り組む場合に利用できます。
補助上限額・補助率
– 従業員数5人以下:750万円(補助率2/3)
– 従業員数6~20人:1,000万円(補助率2/3)
– 従業員数21人以上:1,250万円(補助率2/3)
グリーン枠
温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発や生産プロセス・サービス提供方法の改善に取り組む場合に利用できます。
補助上限額・補助率
– エントリー類型:750万円~1,250万円(補助率2/3)
– スタンダード類型:1,000万円~1,250万円(補助率2/3)
– アドバンス類型:2,000万円~4,000万円(補助率2/3)
1-3.2025年度の主な変更点
2025年度のものづくり補助金では、以下の点が変更されています:
1.デジタル化の推進強化
– DX関連投資への加点措置拡充
– AIやIoT導入に関する評価基準の明確化
2.カーボンニュートラル対応
– 省エネ設備導入への優遇措置
– 再生可能エネルギー関連投資の評価向上
3.賃上げ要件の厳格化
– 最低賃金+30円以上の賃上げ計画が必須
– 実績報告時の賃上げ実施確認強化
4.事業継続力の評価
– 事業継続力強化計画の策定に対する加点
– 災害対応力向上への取り組み評価
2.対象となる企業と条件
2-1.対象企業の要件
業種・規模要件
ものづくり補助金の対象となる企業は、以下の中小企業・小規模事業者です:
製造業・その他
– 資本金:3億円以下
– 従業員数:300人以下
卸売業
– 資本金:1億円以下
– 従業員数:100人以下
サービス業
– 資本金:5,000万円以下
– 従業員数:100人以下
小売業
– 資本金:5,000万円以下
– 従業員数:50人以下
基本要件
申請企業は以下の要件を満たす必要があります:
1.付加価値額の向上
– 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
– 事業計画期間において、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上に引上げ
– 事業計画期間において、付加価値額を年率平均3%以上増加
2.事業計画の策定
– 3~5年の事業計画を策定
– 認定支援機関と事業計画を策定
3.財務体質の健全性
– 債務超過でないこと
– 税務申告を適正に行っていること
2-2.対象となる事業・設備
補助対象事業
以下の要件を満たす事業が対象となります:
1.革新性
– 新製品・新サービス開発
– 生産プロセス・サービス提供方法の改善
2.実現可能性
– 技術的に実現可能な計画
– 事業化の見通しが立つ計画
3.事業効果
– 競争力の向上が見込める
– 地域経済への波及効果が期待される
補助対象経費
以下の経費が補助対象となります:
機械装置・システム構築費
– 専用ソフトウェア・情報システム
– 機械装置、工具・器具の購入、製作、借用
– 改良・修繕・据付・運搬・設置工事
技術導入費
– 知的財産権等の導入
– 専門家経費
専門家経費
– 本事業遂行のための専門家に支払われる経費
運搬費
– 機械装置等の運搬・設置に要する経費
クラウドサービス利用費
– 本事業遂行のために利用するクラウドサービス利用費
2-3.申請時の注意点
加点要素
以下の要素は審査で加点されます:
1.成長性加点
– 有効な期間の経営革新計画の承認
– 地域未来投資促進法の承認
2.政策加点
– 創業・第二創業後間もない事業者
– パートナーシップ構築宣言の登録
3.技術力加点
– 知的財産権の保有・活用
– 先端技術の導入
4.連携加点
– 大学・公設試との連携
– 海外展開の計画
減点要素
以下の場合は審査で減点されます:
1.過去の補助金実績
– 類似事業での補助金受給歴
– 事業化未達成の実績
2.財務状況
– 債務超過の状態
– 税務申告の未実施
3.申請の流れと必要書類
3-1.申請スケジュール
2025年度申請スケジュール
第1回申請受付
– 公募開始:2025年4月上旬
– 申請締切:2025年5月下旬
– 採択発表:2025年7月上旬
第2回申請受付
– 公募開始:2025年7月上旬
– 申請締切:2025年8月下旬
– 採択発表:2025年10月上旬
第3回申請受付
– 公募開始:2025年10月上旬
– 申請締切:2025年11月下旬
– 採択発表:2026年1月上旬
3-2.ものづくり補助金申請方法の詳細手順
STEP1: 申請準備
1.認定支援機関の選定
– 商工会議所・商工会
– 金融機関
– 税理士・中小企業診断士等
2.事業計画の策定
– 現状分析と課題の明確化
– 事業の革新性・実現可能性の整理
– 投資計画と資金計画の策定
3.必要書類の準備
– 申請書類一式
– 添付書類の収集・整理
STEP2: 電子申請システムでの申請
1.GビズIDの取得
– 法人・個人事業主の電子認証
– 事前の取得が必要(2週間程度)
2.申請書の作成
– 電子申請システムでの入力
– 添付書類のアップロード
3.申請書の提出
– 締切日の17時までに提出
– 提出後の修正は不可
STEP3: 審査期間
1.形式審査
– 申請書類の不備確認
– 基本要件の確認
2.専門家審査
– 事業計画の評価
– 技術的実現可能性の確認
3.採択発表
– 採択結果の通知
– 採択後の手続き案内
3-3.必要書類一覧
基本書類
すべての申請者が提出する書類
1.申請書
– 事業計画書(様式1)
– 補助事業に要する経費の内容(様式2)
– 資金調達内訳(様式3)
2.添付書類
– 決算書(直近2期分)
– 法人税確定申告書(直近2期分)
– 法人事業概況説明書(直近2期分)
– 貸借対照表・損益計算書(直近2期分)
3.その他書類
– 履歴事項全部証明書
– 認定支援機関による確認書
– 労働者名簿
特別枠申請時の追加書類
回復型賃上げ・雇用拡大枠
– 売上高減少に関する資料
– 賃上げ・雇用拡大計画書
デジタル枠
– DXに関する取組み計画書
– デジタル技術の活用計画
グリーン枠
– 温室効果ガス排出削減計画書
– 省エネ効果算定書
3-4.申請書作成のポイント
事業計画書の記載要領
1.事業の背景・目的
– 現状の課題と解決の必要性
– 事業の革新性・独自性
2.事業の内容
– 具体的な事業内容
– 導入する設備・技術の詳細
3.事業の実現可能性
– 技術的な実現可能性
– 市場性・競争優位性
4.事業効果
– 付加価値向上の具体的な計画
– 雇用創出・地域経済への効果
審査通過のためのポイント
1.明確な課題設定
– 現状の問題点を具体的に記載
– 解決による効果を定量的に示す
2.技術的な実現可能性
– 導入技術の妥当性
– 実施体制の確実性
3.市場性の証明
– 市場規模・成長性のデータ
– 競合他社との差別化要因
4.財務計画の妥当性
– 投資回収計画の現実性
– 資金調達の確実性
3-5.申請後の手続き
採択後の手続き
1.交付申請
– 交付申請書の提出
– 詳細な実施計画の策定
2.事業実施
– 承認された計画に基づく実施
– 進捗状況の定期報告
3.実績報告
– 事業完了報告書の提出
– 経費の支払い証明書類
4.補助金の交付
– 審査完了後の補助金振込
– 事業化状況の継続報告
事業化報告
採択事業者は、補助事業完了後5年間にわたり、事業化状況を報告する義務があります。
報告内容
– 売上高の実績
– 雇用者数の推移
– 賃上げの実施状況
– 事業の継続状況
当事務所では、ものづくり補助金の申請から事業化報告まで、一貫したサポートを提供しています。複雑な申請手続きでお困りの際は、助成金専門の社労士として豊富な実績を持つ当事務所にお気軽にご相談ください。適切な事業計画の策定から申請書の作成、採択後の手続きまで、お客様の成功をトータルでサポートいたします。