【2025年版】事業再構築補助金の概要・条件・申請方法まとめ|専門社労士が徹底解説
助成金専門の社労士事務所が運営する助成金サイトとして、2025年度の事業再構築補助金について最新かつ詳細な情報をお届けします。当事務所では、これまで多数の企業様の事業再構築補助金申請をサポートし、高い採択率を実現してきた豊富な実績を有しています。
事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響により売上が減少した中小企業等が、思い切った事業再構築に取り組む場合に支援される経済産業省の大型補助金制度です。2025年度は、ポストコロナ時代の新たな事業モデル構築により重点が置かれ、制度内容が大幅に見直されています。
本記事では、助成金専門の社労士として蓄積した知識と経験をもとに、事業再構築補助金の申請方法から採択のポイントまで、実務に即した情報を分かりやすく解説いたします。事業転換を検討されている企業の皆様にとって、実践的なガイドとしてお役立てください。
【目次】
1.【2025年版】事業再構築補助金の目的と概要
1-1.制度の目的と背景
事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業・中堅企業等が、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、思い切った事業再構築に取り組む場合に支援する制度です。
2025年度においては、以下の観点から制度設計がなされています:
– デジタル化・グリーン化の加速
– 地域経済の活性化と雇用創出
– サプライチェーンの強靱化
– 新興技術の活用による競争力強化
1-2.補助金の枠組みと補助額
成長枠(旧:通常枠)
中小企業等が事業再構築に取り組む際の基本的な支援枠です。
補助上限額・補助率
– 中小企業:従業員数20人以下 2,000万円、21人以上 4,000万円、51人以上 5,000万円(補助率2/3)
– 中堅企業:従業員数20人以下 4,000万円、21人以上 6,000万円、51人以上 7,000万円(補助率1/2)
卒業促進枠
中小企業が事業再構築を通じて中堅企業に成長することを促進する枠です。
補助上限額・補助率
– 中小企業:1億円(補助率2/3)
大規模賃金引上促進枠
大幅な賃上げを行う中小企業を支援する枠です。
補助上限額・補助率
– 中小企業:3,000万円(補助率2/3)
– 中堅企業:5,000万円(補助率1/2)
産業構造転換枠
国内市場の縮小等により厳しい業況にある業種・業態の企業を支援する枠です。
補助上限額・補助率
– 中小企業:従業員数20人以下 2,000万円、21人以上 4,000万円、51人以上 5,000万円(補助率2/3)
– 中堅企業:従業員数20人以下 4,000万円、21人以上 6,000万円、51人以上 7,000万円(補助率1/2)
最低賃金枠
最低賃金引上げの影響を受ける中小企業を支援する枠です。
補助上限額・補助率
– 中小企業:従業員数5人以下 500万円、6人以上 1,000万円(補助率3/4)
1-3.2025年度の主な変更点
2025年度の事業再構築補助金では、以下の点が変更されています:
1.DX・GX要素の強化
– デジタル技術活用への加点措置拡大
– 脱炭素化への取り組み評価強化
2.地域連携の推進
– 地域の中核企業との連携事業への優遇
– 地方創生への貢献度評価
3.人材育成の重視
– リスキリング計画の策定推奨
– 専門人材の採用・育成支援
4.事業継続性の確保
– サプライチェーン強靱化への取り組み評価
– 事業継続計画(BCP)策定の推奨
2.対象となる企業と条件
2-1.対象企業の要件
基本要件
事業再構築補助金の対象となる企業は、以下の要件を満たす必要があります:
企業規模要件
– 中小企業:資本金・従業員数が中小企業基本法の定義を満たす企業
– 中堅企業:中小企業を超える規模で、資本金10億円未満の企業
売上減少要件
– 2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している
– 2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して5%以上減少している
事業再構築の定義
以下のいずれかの事業再構築に取り組む必要があります:
1.新分野展開
– 新たな製品等を製造・提供することにより、新たな市場に進出する
– 主たる業種・事業を変更することなく、新分野への進出を図る
2.事業転換
– 新たな製品等を製造・提供することにより、主たる業種を変更する
– 事業の方向性を大きく転換する
3.業種転換
– 新たな製品等を製造・提供することにより、主たる業種を変更する
– 全く異なる業種への転換を図る
4.業態転換
– 製品等の製造方法等を相当程度変更する
– 同一業種内での製造・提供方法の変更
5.事業再編
– 会社法上の組織再編行為等により、新たな事業形態に移行する
– M&A等による事業統合・再編
2-2.対象となる事業・経費
補助対象事業の要件
以下の要件を満たす事業が対象となります:
1.事業の新規性
– 既存事業とは異なる新規事業であること
– 新たな市場への進出が見込まれること
2.技術の先端性
– 先端技術の活用が期待されること
– 技術的実現可能性が確認されること
3.事業化の見通し
– 事業化による収益性が見込まれること
– 持続的な事業運営が可能であること
4.既存事業との関連性
– 既存事業で培った技術・ノウハウを活用できること
– 既存事業とのシナジー効果が期待されること
補助対象経費
以下の経費が補助対象となります:
建物費
– 建物の建設・改修に要する経費
– 建物の撤去に要する経費
– 賃貸物件の原状回復に要する経費
機械装置・システム構築費
– 機械装置、工具・器具の購入、製作、借用に要する経費
– 専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築に要する経費
技術導入費
– 知的財産権等の導入に要する経費
– ライセンス料等
専門家経費
– 本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費
– 技術指導料、コンサルティング費用等
運搬費
– 機械装置等の運搬に要する経費
クラウドサービス利用費
– 本事業遂行のために利用するクラウドサービスに要する経費
外注費
– 本事業遂行のために必要な加工・設計等を外注する経費
知的財産権等関連経費
– 特許権等の知的財産権の取得に要する経費
広告宣伝費・販売促進費
– 本事業で開発した製品・サービスの広告宣伝、販売促進に要する経費
研修費
– 本事業遂行のために必要な研修に要する経費
2-3.申請時の注意点
加点要素
以下の要素は審査で加点されます:
1.政策加点
– 大幅な賃上げ(被用者保険適用拡大の対象となる中小企業)
– 最低賃金引上げ等の影響を受ける中小企業
– 経済産業省が行う調査への協力
2.地域加点
– 地域の特色を活かした事業
– 地域経済への波及効果が高い事業
– 地域の中核企業との連携
3.技術・イノベーション加点
– 先端技術の活用
– 知的財産権の活用
– 産学連携等の取り組み
4.事業継続力加点
– 事業継続力強化計画の策定
– BCPの策定・実行
– サプライチェーンの多元化
3.申請の流れと必要書類
3-1.申請スケジュール
2025年度申請スケジュール
第1回申請受付
– 公募開始:2025年4月中旬
– 申請締切:2025年6月中旬
– 採択発表:2025年8月中旬
第2回申請受付
– 公募開始:2025年8月中旬
– 申請締切:2025年10月中旬
– 採択発表:2025年12月中旬
第3回申請受付
– 公募開始:2025年12月中旬
– 申請締切:2026年2月中旬
– 採択発表:2026年4月中旬
3-2.事業再構築補助金申請方法の詳細手順
STEP1: 事前準備
1.認定支援機関の選定
– 商工会議所・商工会
– 地域金融機関
– 公認会計士・税理士等
2.事業計画の策定
– 現状分析と課題の整理
– 事業再構築の方向性決定
– 市場分析と競合調査
3.必要書類の準備
– 申請書類一式
– 添付書類の収集
STEP2: 電子申請システムでの申請
1.jGrants(政府共通補助金申請システム)のアカウント作成
– GビズIDプライムアカウントの取得
– システムへの登録
2.事業計画書の作成
– 電子申請システムでの入力
– 事業再構築の内容詳細記載
3.申請書の提出
– 締切日の18時までに提出
– 提出後の修正は原則不可
STEP3: 審査・採択
1.書面審査
– 事業計画の妥当性評価
– 事業再構築の適切性確認
2.面接審査
– 一定条件を満たす場合に実施
– 事業内容の詳細確認
3.採択発表
– 採択結果の通知
– 不採択理由の開示
3-3.必要書類一覧
基本書類
すべての申請者が提出する書類
1.事業計画書
– 事業の内容(様式1)
– 売上高等の推移(様式2)
– 認定支援機関による確認書(様式3)
2.決算書等
– 決算書(直近2期分)
– 法人税確定申告書(直近2期分)
– 法人事業概況説明書(直近2期分)
3.売上減少を証明する書類
– 売上高の推移が分かる資料
– 月次試算表等
4.その他書類
– 履歴事項全部証明書
– 労働者名簿
– 従業員数を証明する書類
枠別追加書類
卒業促進枠
– 中堅企業への成長計画書
– 雇用計画書
大規模賃金引上促進枠
– 賃上げ計画書
– 給与支払総額証明書
産業構造転換枠
– 業種・業態の現状分析資料
– 転換計画書
最低賃金枠
– 最低賃金の影響を受ける証明書類
– 労働者の賃金台帳
3-4.申請書作成のポイント
事業計画書の記載要領
1.現状分析
– 既存事業の課題と限界
– 外部環境の変化分析
– 事業再構築の必要性
2.事業再構築の内容
– 新規事業の具体的内容
– 既存事業との関連性
– 新規性・革新性の説明
3.市場分析
– 対象市場の規模・成長性
– 競合他社の状況
– 市場参入の戦略
4.実施体制
– 実施スケジュール
– 人員配置計画
– 外部協力者の活用
5.事業化見通し
– 売上・利益計画
– 投資回収計画
– リスク分析と対策
審査通過のためのポイント
1.事業再構築の妥当性
– 既存事業からの転換理由の明確化
– 新規事業の成長性・収益性の根拠
2.実現可能性
– 技術的実現可能性の証明
– 資金調達計画の妥当性
– 実施体制の確実性
3.経済的効果
– 売上・利益向上の具体的計画
– 雇用創出効果
– 地域経済への波及効果
4.持続性
– 事業継続のための仕組み
– 競争優位性の確保
– 将来の成長戦略
3-5.申請後の手続き
採択後の手続き
1.交付申請
– 交付申請書の提出
– 詳細な事業実施計画の策定
2.事業実施
– 交付決定に基づく事業実施
– 進捗状況の定期報告
3.中間報告
– 事業進捗の中間報告
– 計画変更の手続き
4.実績報告
– 事業完了報告書の提出
– 経費支出の証明書類提出
5.補助金の交付
– 審査完了後の補助金振込
– 事業化状況の継続報告
事業化報告
採択事業者は、補助事業完了後5年間にわたり、事業化状況を報告する義務があります。
報告内容
– 付加価値額の推移
– 従業員数の変化
– 給与支給総額の変化
– 事業継続状況
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