社労士に依頼するメリットとデメリット - 全国助成金・補助金サポートセンター

社労士に依頼するメリットとデメリット

「助成金申請って、自社でやるには複雑すぎる?」「社労士に頼むとどんなメリットがあるんだろう?」そうお悩みの経営者や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。助成金は返済不要の魅力的な資金ですが、その申請には専門知識と多くの書類作成が伴います。

この「日本一の助成金HPのプロのライター」が、助成金申請における社会保険労務士(社労士)の役割を解説し、依頼するメリットとデメリット、費用相場、そして最適な社労士の選び方までを徹底的にご紹介します。自社の状況に合った最適な選択をするために、ぜひご活用ください。

【目次】

  1. 助成金申請における社労士の役割と専門性
    1. 社労士とは?労働・社会保険の専門家
    2. 助成金申請における社労士の具体的な役割
  2. 社労士に助成金申請を依頼する5つのメリット
    1. 受給可能性が格段に向上する
    2. 申請手続きにかかる手間と時間を大幅に削減できる
    3. 法令遵守(コンプライアンス)体制が強化される
    4. 助成金受給後のリスクを低減できる
    5. 継続的な助成金活用のサポートが期待できる
  3. 社労士に助成金申請を依頼する3つのデメリットと費用相場
    1. 費用が発生する
    2. 丸投げはできない
    3. 社労士の能力や専門性には差がある
  4. 最適な社労士を選ぶためのポイント
  5. まとめ:社労士活用で助成金申請を成功に導く

1. 助成金申請における社労士の役割と専門性

社会保険労務士(社労士)は、企業の人事労務に関する専門家であり、助成金申請においても重要な役割を担います。

1-1. 社労士とは?労働・社会保険の専門家

社労士は、労働基準法、労働安全衛生法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法などの労働・社会保険に関する法令に基づき、以下の業務を行う国家資格者です。

  • 書類作成・提出代行: 労働・社会保険の各種手続き書類の作成や行政機関への提出代行。
  • 帳簿書類の作成: 労働者名簿、賃金台帳などの法定帳簿の作成。
  • 労務相談: 採用、退職、就業規則、賃金、ハラスメントなど、人事労務に関する相談・指導。
  • 紛争解決手続き: 労働者とのトラブル解決のためのあっせん代理など。
  • 助成金・補助金申請代行: 雇用関係助成金を中心に、申請書類の作成や提出を代行。

このように、社労士は企業の人事労務全般に精通しており、特に雇用関係助成金(厚生労働省が所管)の申請においては、最も信頼できる専門家と言えます。

1-2. 助成金申請における社労士の具体的な役割

助成金申請において、社労士は以下のような具体的なサポートを提供します。

  • 最適な助成金制度の選定: 貴社の事業内容や現状、今後の計画などをヒアリングし、数多くある助成金の中から最も受給可能性が高く、貴社の目的に合致する制度を選定します。
  • 受給要件の確認と指導: 各助成金の複雑な支給要件を詳細に確認し、貴社が要件を満たしているか、あるいは満たすための改善点などを具体的に指導します。
  • 事業計画書・申請書類の作成支援: 助成金の種類に応じた専門的な知識とノウハウに基づき、計画書や申請書を正確かつ効果的に作成します。特に、審査で重要視されるポイントを押さえた書類作成は、社労士ならではの強みです。
  • 必要書類の収集支援: 賃金台帳、出勤簿、就業規則など、多岐にわたる添付書類の準備をサポートし、漏れや不備がないかチェックします。
  • 行政機関との折衝・問い合わせ代行: ハローワークや労働局など、管轄機関との複雑なやり取りを代行し、問い合わせや情報確認をスムーズに進めます。
  • 実地調査への立ち会い: 必要に応じて行われる実地調査の際に立ち会ったり、適切なアドバイスを提供したりします。
  • 支給後の報告・手続きサポート: 助成金受給後の報告義務や、税務処理に関するアドバイスなども行います。

2. 社労士に助成金申請を依頼する5つのメリット

社労士に助成金申請を依頼することは、企業にとって非常に大きなメリットをもたらします。

2-1. 受給可能性が格段に向上する

社労士は助成金制度の専門家であり、最新の情報を常に把握しています。

  • 最適な助成金の見極め: 自社では見つけにくい、または申請が難しいと感じる助成金でも、社労士なら適切な制度を見つけて提案してくれます。
  • 要件の的確な判断: 複雑な支給要件を正確に理解し、貴社が要件を満たすかどうか、どのように対応すれば良いかを的確に判断します。
  • 書類作成のプロフェッショナル: 審査を通過するためのポイントを押さえた申請書や計画書を作成し、不備なく提出することで、不支給リスクを大幅に低減できます。

2-2. 申請手続きにかかる手間と時間を大幅に削減できる

助成金申請は、情報収集、要件確認、書類作成、行政機関とのやり取りなど、非常に多くの手間と時間がかかります。

  • 本業への集中: 社労士に依頼することで、経営者や人事担当者はこれらの煩雑な作業から解放され、本来の業務や事業運営に集中できます。
  • 効率的な手続き: 専門家が手続きを進めるため、無駄なくスムーズに申請プロセスが進行し、時間の短縮に繋がります。

2-3. 法令遵守(コンプライアンス)体制が強化される

助成金申請は、企業の労務管理が適正に行われているかを問う側面も持ちます。

  • 労務管理の適正化: 助成金の要件を満たすために、就業規則の見直しや労働時間管理の改善など、労務管理全般の適正化を促してもらえます。これは助成金受給だけでなく、企業としてのコンプライアンス強化に直結します。
  • リスク回避: 労働基準法などの法令違反がないかチェックしてもらえるため、将来的なトラブルやペナルティのリスクを未然に防ぐことができます。

2-4. 助成金受給後のリスクを低減できる

助成金は受給して終わりではありません。受給後も報告義務や税務処理など、適切な対応が求められます。

  • 適切な税務処理のアドバイス: 助成金が課税対象となることや、圧縮記帳など税務上の特例に関するアドバイスを受けられます。
  • 不正受給のリスク回避: 意図しない要件不備や書類不整合による「不正受給」とみなされるリスクを回避できます。社労士は、適正な手続きを徹底するため、安心して任せることができます。

2-5. 継続的な助成金活用のサポートが期待できる

一度社労士と顧問契約を結べば、単発の助成金申請だけでなく、企業の状況に合わせた継続的な助成金活用のアドバイスや情報提供を受けられるようになります。

  • 常に最新情報を提供: 新しい助成金制度の創設や既存制度の変更など、最新の情報をいち早くキャッチし、貴社に最適な活用法を提案してもらえます。
  • 中長期的な戦略: 企業の成長段階や人材戦略に合わせて、複数年度にわたる助成金活用のロードマップを一緒に描くことができます。

3. 社労士に助成金申請を依頼する3つのデメリットと費用相場

社労士に依頼するメリットは大きいですが、デメリットも理解しておくことが重要です。

3-1. 費用が発生する

社労士に依頼する場合、当然ながら報酬が発生します。これが最大のデメリットと感じるかもしれません。

  • 費用相場:
    • 着手金: 助成金申請の前に支払う費用で、数万円〜10万円程度が一般的です。
    • 成功報酬: 助成金が実際に受給された場合に発生する費用で、受給額の10%〜20%が相場です。
    • 顧問契約: 助成金申請だけでなく、継続的な労務相談や手続き代行を依頼する場合は、月額の顧問料(数万円〜)が発生します。
  • 費用対効果の検討: 支払う報酬は発生しますが、専門家に依頼することで、不支給リスクの低減、本業への集中、労務管理の適正化といったメリットを考慮すれば、十分に費用対効果があるケースが多いです。特に、受給額が高額な助成金ほど、成功報酬の割合が同じでも金額が大きくなるため、慎重な検討が必要です。

3-2. 丸投げはできない

社労士に依頼しても、企業側が全く関与しなくて良いわけではありません。

  • 情報提供は必須: 貴社の事業内容、経営状況、従業員の労働時間や賃金、就業規則など、正確な情報を提供するのは企業側の責任です。
  • 最終的な意思決定: どの助成金を申請するか、どのような取り組みを行うかなど、最終的な意思決定は経営者自身が行う必要があります。
  • 社内協力の必要性: 必要書類の準備や、取り組みの実施には、社内の担当者の協力が不可欠です。社労士はあくまでサポート役であることを理解しておきましょう。

3-3. 社労士の能力や専門性には差がある

社労士と一口に言っても、それぞれの得意分野や経験、サービス品質には差があります。

  • 助成金の実績: 助成金申請に特化した経験や実績が豊富な社労士を選ぶことが重要です。助成金は毎年制度が更新されるため、最新情報への対応力も問われます。
  • コミュニケーション能力: 円滑なコミュニケーションが取れるか、質問に対して分かりやすく説明してくれるかなど、相性も重要です。
  • 信頼性: 秘密保持の意識や、誠実な対応をしてくれるかどうかも見極めるポイントです。

4. 最適な社労士を選ぶためのポイント

失敗しない社労士選びのために、以下のポイントを参考にしてください。

  1. 助成金申請の実績が豊富か:
    • 過去の成功事例や、得意とする助成金の種類を確認しましょう。
    • 特に、自社が申請を検討している助成金での実績があるかどうかが重要です。
  2. 料金体系が明確か:
    • 着手金、成功報酬、顧問料など、全ての費用について事前に明確な説明を受けましょう。
    • 追加費用が発生する可能性についても確認しておくべきです。
  3. コミュニケーションが取りやすいか:
    • 初回相談時や、その後のやり取りを通じて、質問に対するレスポンスの速さや、専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれるかなどを確認しましょう。
    • 相性の良い社労士を選ぶことが、長期的な関係構築に繋がります。
  4. 情報提供力と提案力があるか:
    • 最新の助成金情報を常にキャッチアップし、貴社の状況に合わせた適切な助成金を積極的に提案してくれるかを見極めましょう。
  5. 契約前の無料相談を活用する:
    • 多くの社労士事務所では、初回無料相談を実施しています。複数の社労士に相談し、比較検討することをおすすめします。
  6. 担当者個人のスキルを見る:
    • 事務所全体の実績だけでなく、実際に担当してくれる社労士個人の経験や専門性も重要です。

5. まとめ:社労士活用で助成金申請を成功に導く

助成金申請は、企業にとって非常に大きなメリットをもたらす一方で、その複雑さから「難しそう」と感じる方も少なくありません。

社会保険労務士に依頼することで、以下のメリットを享受できます。

  • 受給可能性の大幅な向上
  • 申請業務にかかる時間と手間の削減
  • 法令遵守体制の強化
  • 助成金受給後のリスク低減
  • 継続的な助成金活用のサポート

費用は発生しますが、そのコストを上回るメリットがある場合がほとんどです。特に、自社の人事労務体制に不安がある場合や、助成金申請の経験がない場合は、積極的に社労士への相談を検討しましょう。

最適な社労士を選び、その専門性を最大限に活用することで、貴社は効率的かつ確実に助成金を獲得し、事業の発展に繋げることができるでしょう。

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