(介護・福祉)IT導入補助金活用事例:記録業務を90%削減する「業務効率化」IT導入補助金導入額

  • 【目次】
  1. 介護・福祉業の「記録業務・人手不足」をITで根本解決
  2. 介護・福祉業がIT導入で失敗しないための戦略
  3. 導入コスト:「実質負担額」はいくらになるのか?
  4. まとめ:介護・福祉業の「業務効率化」はIT導入で実現できる

IT導入補助金は、介護・福祉業の「記録業務の負荷」と「職員の定着率」を改善する切り札です。
売上アップに直結する介護ソフトや見守りセンサーも対象となり、書類作成時間を大幅に削減し、職員が利用者と向き合う時間を増やせます。
実質負担約48万円から、職員の負担を軽減し、質の高い介護を提供する「強い現場」をつくり上げることが可能です。

 

介護・福祉業の「記録業務・人手不足」をITで根本解決

 

項目 導入前の現状(ビフォー) IT導入後の効果(アフター)
介護記録 手書き、またはPCへの二重入力。残業の常態化と、転記ミスが発生。 タブレットでバイタルやケア内容をその場で入力。記録業務の工数を平均80%削減し、職員の定着率が向上。
情報共有・連携 申し送りは紙または口頭で、多職種(看護師、ケアマネ)との情報連携が遅い 介護ソフトを通じてリアルタイムで情報共有。職員の連携ミスがなくなり、質の高いケアを提供
介護報酬請求 サービス提供実績を集計し、月末に請求ソフトへ手入力。手間と時間がかかる 記録データが請求ソフトに自動連携。請求業務の工数を大幅に短縮し、ヒューマンエラーをゼロに
夜間見守り 定期的な巡回が必要で、職員の夜間負担が大きい。利用者の転倒リスクが高い 見守りセンサー導入で、状態の変化を自動で通知。職員の負担を減らし、安全性を高める

IT導入補助金は、職員が利用者と向き合う時間を増やし、業務効率を抜本的に改善するツールを支援します。「デジタル化基盤導入類型」を活用すれば、タブレットやPCなどのハードウェアも補助対象です。

ツールカテゴリー 具体的な機能と活用ポイント
介護ソフト(記録・請求) 介護記録から介護報酬請求までを一貫して行うクラウドシステム。スマートフォンやタブレットからの入力に対応。
見守りセンサー ベッドからの離床や転倒リスクを検知し、職員のスマートフォンに通知するセンサー。巡回業務の負担を軽減
勤怠・シフト管理システム ヘルパーの直行直帰に対応した勤怠管理や、人員基準に合わせた自動シフト作成機能
タブレット端末 介護記録ソフトを利用するためのタブレット。利用者宅への訪問時や巡回時に利用

 

介護・福祉業がIT導入で失敗しないための戦略

IT導入を成功させるには、「職員のITリテラシーへの配慮」と「制度改正への対応」を意識した戦略が必要です。

 

1. 「使いやすい」システムで職員の抵抗をなくす

新しいシステムへの抵抗を減らすには、操作の複雑さを排除することが重要です。

– 対策: 直感的な操作が可能で、特に現場での「入力スピード」を重視してシステムを選定します。導入設定・研修費用を補助金に含め、IT導入支援事業者による操作指導を全職員に行いましょう。

 

2. 記録を「監査・請求」に自動で活かす仕組み

IT化の最大のメリットは、記録を別の業務に「二度使い」できることです。

– 自動連携の徹底: 介護記録がそのまま介護報酬の請求データとなり、監査に必要な書類も自動で作成される仕組みを構築します。これにより、バックオフィスの負担がゼロに近づきます。

 

3. 職員の「働きがい」に直結させる

IT導入は、単なる業務効率化ではなく、職員の労働環境改善と捉えるべきです。

– ケアに集中: 記録業務の時間が減ることで、職員が利用者と接する時間が増加。これが利用者満足度向上と職員自身の働きがいにつながり、離職率の改善に貢献します。

 

導入コスト:「実質負担額」はいくらになるのか?

介護・福祉業は、介護ソフトや見守り機器といった専門性の高いツールを導入します。

活用パターン:介護ソフト(記録・請求)と現場用タブレットのセット導入

【導入目標】 訪問介護事業所が、介護ソフトとヘルパー用のタブレットを導入し、記録と請求業務の自動化を図る。

| 項目 | 費用内訳(概算) | 補助率 |
| ① ソフトウェア利用料 | 80万円(介護記録・請求ソフト 2年分) | 2/3以内 |
| ② 導入設定・研修費用 | 20万円(初期設定、ヘルパー向け操作研修) | 2/3以内 |
| ③ ハードウェア購入費 | 30万円(タブレット 5台、管理者用PC) | 1/2以内 |
| 合計コスト | 130万円 | – |

 

IT導入補助金と自己負担額の目安(デジタル化基盤導入類型)

| 補助金と負担額 |
| ①② ソフトウェア・設定費の補助額:約66.7万円 |
| ③ ハードウェアの補助額:約15万円 |
| 概算IT導入補助金合計:約81.7万円 |
| 実質的な自己負担額:約48.3万円 |

※このシミュレーション結果は、IT導入補助金を活用することで、介護ソフト導入と機器整備の費用を大幅に抑えられることを示しています。

 

知っておくべきIT導入補助金のリアルなポイント

1. 「生産性向上」の具体性: 申請では、「記録業務の時間を何%削減するか」「離職率を何%改善するか」といった具体的な数値目標が求められます。
2. 介護保険制度との連携: 導入ソフトが最新の介護保険制度改正に確実に対応していることを確認することが必須です。
3. IT導入支援事業者との連携: 申請だけでなく、現場への定着支援までを担う支援事業者を選定することが成功の鍵となります。

 

まとめ:介護・福祉業の「業務効率化」はIT導入で実現できる

介護・福祉業の最大の資産は「人」です。IT導入は、その「人」が記録業務に追われることなく、本来のケアに集中できる環境をつくるための投資です。

– 記録と請求の自動化で、職員の負担を大幅に軽減できる。
– 見守りセンサーで夜間の安心と安全性を確保できる。

IT導入補助金は、人材の流出を防ぎ、事業の安定と質の向上を両立するための「未来への投資」です。まずは専門の支援事業者にご相談いただき、「ウチの施設の課題は、いくらでDXできるか」を確認することから始めてみましょう。